▼ 作画プロセスProcess
油彩の作画プロセスを一部公開いたします。いずれも丁寧に、細部に至るまで描きこみを妥協せず、よい作品を作る事だけを考えて制作しています。
背景、大まかに木目。 |
全体を大まかに着彩。 |
籠の描きこみ。 |
額に入れた状態でチェックをし、足りていないであろう箇所をさらに細かく描きこんでゆく。 |
完成形。木目とか籠の、光と影のそれぞれの強さなどに気を付けて制作。 |
大まかな下塗りから。 |
背景を優先的に。今見ると、この頃は未熟で、早い段階から乾性油を使いすぎてます(笑)。そういった塩梅も、全ては大切な経験ですね。 |
花瓶、ガラス、かぼちゃ、レース地のクロスの、それぞれの質感にこだわる。 |
花の色を入れたあたり。 |
完成形を想定。額に入れた状態でチェックをし、足りていないであろう箇所をさらに細かく描きこんでゆく。 |
完成形。それぞれの質感にこだわるのみならず、陰影のバランス、色彩バランスの全てにこだわりぬいて、制作。 |
まずは全体のおおまかな調子をつけてみる。 |
背景はすんなり出来た。次はメインである花を。 |
花はヒダまで、質感にこだわる。 |
光ある、作品になったかな? |
完成形。シンビジウムは、茎に葉に、コシがある。花は、ピンクと白と黄を塩梅よく。また、それらを光がよい色で、照らす様に。 |
やはり、背景から。主物には、大まかな下塗りを。 |
描きこみ。 |
意外と、柿のオレンジ色が難しかったり。 |
完成形。静物画は、物が確かに置かれている様に、そして、各主物の“重さ”までもが伝わる様に、綿密に丁寧に、制作。 |
大まかな下塗りから。 |
背景を優先的に。 |
波を描きこみ。 |
船には、ディテール。 |
全体的に出来てきた。これで止める場合もある。そして、これ以上を足す事もある。それは、自身の“想い”次第…。どんなに忠実に描いた写実画であっても、模写は模写でしかない。模写が“静”であれば、創造は“動”であるのだ。 |
完成形。何か光を足してしまった。気分次第で、蛇足だったとも思えるし、よかったとも思える。今思えば、2013年は油彩を初めて発表し人生を変える事をも掲げていた年。その年にふさわしい、希望ある前向きな作品となった。その時の自身のマインドが現れる絵こそが、真の絵だ。以後、こういった「光」に目を向けた作品は増えていったので、自身の中では、ベンチマークというか、佐藤豪としてのシンボリックな作品となっていた気がする。今でも好きな作品。 |
初めて、故郷広島を題材にした作品。2009年に帰郷してから、2013年に油彩画家として発表を開始、それ以後も、伊根、宮津、金沢、萩、仙崎、ドイツ、岡山、などを描いてはきたが、2021年は、ついに、広島を描く事に。宮島から。 |
背景を優先的に。 |
人物を入れ、一度額装してみる事で、バランス確認を。そして、まだまだ描きこみを。 |
完成形。静と動。好きな作品。“想い”が背景にある作品について、多くは語りたくはないし、いつか、誰かが、作品解釈の中で、真意に気付く事があるのかも知れない。絵とは、そんなものでよいと思う。 あらゆる物語は、ただ静かに、その軌道の上を走っている。それぞれは静かに個々の動きをしている。しかし、その軌道と、別の軌道とが、突然に出会う瞬間最大風速的な時がある。例えば、地球に彗星が近づく様に。例えば、惑星が直列になる瞬間の様に。 この絵も、そんなものであったと思う。 |
下塗り①。 |
下塗り②。 |
下塗り③。 |
下塗り④。 |
細かく描きこんでゆく。 |
一旦の完成。しかし、個展などに出して気付いた修正箇所を、その後に手入れしてバージョンアップする事もある。そういう意味では、個展は「研究」という一側面があると思っています。 |
完成形。この年は、imagination 的な作品を多く描いた年だった。作品に込めた物語も練りに練っている。時計の針が指し示す時刻がお分かりでしょうか。「転轍の扉 ~ BRD 16:59 JPN 23:59 ~」というタイトルからも、意図を想像してみてください。作品には、自身の心を投影したいと思っています。 |
改めて、作品制作過程も含めて作品を見返しますと、その時に思っていた事、感じていた事、がよく分かる気がいたします。自身のマインドを反映したものが絵画ですね。それは、これからも変わらないと思います。